いろはにほへと

「そうですか…昨日元気がなかったのは、それが原因でしたか?」


昨日、というワードを聞いただけで、一瞬にして顔に熱が集中した。


「あれ、ひなのさん。顔が赤いですが、熱でも…」


「いいいいってきます!」



「あ、ひなのさん?」




突然立ち上がって玄関を飛び出した私に、父が困惑するのも無理はない。


けれど、致し方ない。

この私が一番困惑しているのに。


外に出ると、5時だというのに、空気は既にじっとりと湿気を含み、太陽の陽射しがきつかった。


涼しさの欠片もない真夏の朝。


迎えに来てくれた桂馬達が乗るハイエースに乗り込む為に近付く…



と、思ったら。



「あれ?」



今しがたその後ろにもう一台、車が停まる。


どちらも、スモークガラスになっているから、中が見えない。




えーと…。



私、どっちに乗れば良いのでしょうか?