「ただいま帰りました。。」
「おかえりひなの!!心配したのよ!昨日の今日であんな朝早くから…よく頑張ったわね、ぜひお話を聞かせて頂戴!」
「あ、ひなのさん。おかえりなさい、お疲れ様でした。どうでした?」
玄関から自分の部屋まで抜ける間に降りかかる両親の疑問の答えも出さなかった。いや、出せなかった。
「特には…」
特別なことは何もなかったのだと曖昧に濁し。
明らかに心配顔の両親を余所に、階段を上って、自室に入り。
「っーーー」
ドアを閉めた瞬間、へなへなと腰が抜けたようになった。
頭の中ではずっとさっきまでの光景が、瞬間が、繰り返されている。
そんなの。
ど素人の私に、耐えられる訳が無い。
微熱を出したように、身体が火照って、怠い。
この気持ちを何と呼んだら良いのかも知らない。
「明日から、どうやって顔を合わせれば良いのでしょうか…。」
頬を冷やすように、掌を頬に当て、ひとり、呟いた。


