いろはにほへと

図書館のテーブルの下。


見つめ合った先の彼は、静かな顔をして私を見つめている。


小さな顔に、黒目がちな瞳。

キャップに隠れる髪は黒色。

そんなのは、今朝会った時からわかっている。



だけど、今。


今、したのは―。




「何…?」




「恋愛物読んでるならわかるでしょ?今のが何なのか。」



小馬鹿にしたように言って、桂馬が立ち上がる。


…………わかるでしょって…。



私はその場にへたり込んだまま、思考を巡らせた。




今のは。。き…、き………




「~~~!!!!」



顔中に熱が逆上(のぼ)ってみるみるうちに、自分が茹でたタコのようになっていくのを感じる。



床の上、視界に入る自分の掌さえ、真っ赤だ。