今日は仕事が休み。ミキがみんなでカラオケ行こうと誘ってくれた。いつもバイトは十時までだからその時間までならと思いつつ遊ぶことにした。学校の前には少し派手な車が一台。プップーとクラクションがなった。ミキが早紀の久々の遊びには男が必要だと用意してくれてたらしい。てっきり学校の友達と行くと思ってた。まあ高校生だし、年上の男、車持ちなんて常識みたいなものだとテレビのギャル達がいってた。たまには遊んでストレス解消しよっ。周りを気にしながら車に乗り込むと運転席には二十歳代くらいの、いかにも遊び人風の男。助手席には爽やかボーイとゆうのが相応しい男が座っていた。ありきたりな挨拶を済ませ、爽やかボーイのタケくんが早紀に質問をしてきた。「バイトとかしてるの?」沈黙。返事に困っているとミキが慣れた口調で「ミキと同じ。工場でお惣菜つめてるんだよね」友達に聞かれたらそういうらしい。コンビニとかいうと今度行くから場所教えてとか言われるから人目に付かない仕事を言うようにしてると耳元で言った。早紀は自分の本当の仕事を言えないこと、また嘘をつくことに罪悪感を感じながら、これでいいんだと自分自身を励ました。カラオケで歌ってストレス解消した頃。「次は海で花火だ」と遊び人風の仁くんが言った。時刻は九時を回っていた。花火を買って海に向かった。花火とその場のテンションが楽しくて時間を忘れてしまっていた。気付いた時には十二時。ミキに帰ることを伝えるとそれを聞いていたタケくんが送ってくれるといった。ミキと仁くんは海に残る。タケ君が後で迎えにいく。とゆう設定で。車を走らせたタケ君が口を開いた。「携帯番号交換しない?」時間が気になっていたがバッグから紙とシャープペンシルを出し、名前と番号を書いて渡した。タケ君の番号を聞かないまま車を降りて家に急いだ。お母さんが「遅かったね」とか「どこいってたの」とかうるさく聞いてくる。「仕事終わってから、ミキと喋ってた」口をとがらせて言った。「職場に電話したら一ヶ月前に辞めたって言われたよ」まぢでやばい。どうしよう。焦っていることを隠しながらミキがいっていた、工場の話しをした。「お金いれてるんだし、少しくらい帰り遅くても心配しないで。もう高校生だから大丈夫だよ」高校生だから心配するんだろう。でも実際学生のときは大人ぶりたくなる。お母さんは早紀の言葉を聞いてから何も言わなかった。



