辛い水曜日…。電車が止まればいいのになんてことまで思いながら、そんなことは起こるわけもなく、職場に着いてしまった。早紀の顔色を見て「どんなことでも、そのうち慣れるよ。人間ってそういうもんだよ」ミキの言葉。どこか悲しそうだった。きっとミキにも事情があってやりたくない仕事してるんだ。ミキも頑張ってるんだ。自分と同じ気持ちで、やっていることを知って少し安らいだ。この日のお客さんも初日と変わらない普通の人ばかり。男はみんな同じなんだ。と学習しながら三人目のお客さん。二十二歳とゆう若さ。仕事をして初めての二十代。口数も少なく、顔も少し怖い。「友達に誘われて仕方なく来ただけだから。何もしなくていいから」それなら来なきゃいいじゃん。でもお金貰ってるし何もしないわけにはいかないと思いシャワーに誘ってみた。仕方なさそうな顔で眉間にシワを寄せて「仕事だもんね。」と言って入ってくれた。シャワーの中で「女はいいよな。楽して稼げるもんな」楽なんかじゃない。確かに給料はいいけど身体も心もボロボロになる。なにもわかってないくせに。苛立ちながらも笑って流した。二人でベッドに横たわるといきなり何もしなくていいと言っていたのにお客さんの手が胸に触れた。「服脱ぐと結構いい身体してんね」低い声で少し目が怖い。次の瞬間。無理矢理、手を押さえて本行をしようとする。「やめて」と言おうとしたが、口をふさがれて何もできない。足をばたつかせても止めようとしない。涙が出てくる。その涙を見て男はビックリした顔をして、手を離した。「風俗の女はみんなやらせてくれるんだと思ってた。ごめん」落ち着いて話しを聞いてみると、今まで行ったヘルスはほぼ本行をさせるのが当たり前みたいなものだったらしい。拒む人はチップがほしいからその話しをしてからじゃないとやらないから拒むらしい。早紀もそういう女だと思われていたみたいだ。ただ涙を流す人は居なかったのでビックリしたと言った。お店には本番行為があったり本番行為の要求があった場合すぐに知らせるようにと言われていたが、悪い人でもなさそうなので目をつぶった。それからこのお客さんは毎週水曜日に来ては指名してくれるようになった。指名は給料もアップする。始めはやりたくなかった仕事もミキが言うように慣れてきた。月に一度の成績発表があるとゆうので、ミキに連れられて事務所に入る。



