早紀は五番の部屋で、まず講習だから頑張って。その言葉を残してミキは別の部屋に入っていった。部屋に入ると布団のないビニール製のベッド。横には透明なガラスで囲まれたシャワールームがあった。マッサージ屋さんだったんだ。と思いベッドに腰をかけ、数分後。トントンとノックの音がし一人の男の人が入って来た。「初めまして、店長の三浦です。講習始めてもいいかな」優しく話しを進めてくれる。「まず僕にキスしながら服を脱がせていってくれる?」戸惑いながら上から脱がせていく。「いや。キスしながらやってくれるかな」なぜ見ず知らずの人とキスするのかわからず「あのー。マッサージするのになんでキスするんですか?」後からこの質問は恥ずかしいことだと気付かされる。店長さんは手を止めて座るようにと言った。ベッドに座り、店長さんが内容を細かく話してくれた。驚きの連続だった。キスをするだけじゃなくシャワーで男の人の身体を洗ってそれ以上のこともするとゆうのだ。有り得ない。そんな仕事があったなんて。そうだよ。十分で千円も稼げるなんて普通じゃない。今までの話しを思い出しながら内容をちゃんと聞いておくんだったと後悔した。一つ救いだったのは本番行為がないこと。業界用語で本行とゆうらしいが…。お金のため、生活のため。男の人とやるのは初めてじゃない。妊娠することもないし、我慢するしかない。前、勤めていたファーストフードも辞めてしまったし、後戻りはできない。そう心にいい聞かせて講習を再開した。緊張のあまり手が震える。怖かった。身体を見るのも見せるのも恥ずかしかった。そんなこんなで無事とゆうべきか、講習は終わって一安心…したのも、つかの間。すぐに本番が来た。「お客さん入ります」インターホンで店長さんが知らせた。できるかな。やらなきゃだめだ。怖い。恥ずかしい。数秒の間に色々頭に過ぎった。すると、ドアの向こうから「さきちゃんです。どうぞ」とゆう声と共に三十歳過ぎのおじさんが入ってきた。講習で習った通り「初めまして、早紀です」っ一言。十分前にセットしてあるタイマーのスタートボタンを押し、仕事は始まった。面白いおじさんで話しは弾み十分前にセットしていたタイマーが鳴った。おじさんは何度も来ているので内容は把握していたらしく「時間になっちゃったね。あと六十分延長してくれる?」と言ってきた。インターホンで「延長六十分お願いします」



