北海道…。東京より温かく感じる北海道。電車に乗り、タケ君と初めて会った早紀の母校へと向かう。来てくれるか、来てくれないか。胸のドキドキは止まらない。母校に着くと、、、涙が溢れ出た。見慣れたタケ君の車がハザードを付けて停まっていた。嬉しくて、一年ぶりに会うタケ君の顔を見るのが恥ずかしくて足が止まってしまった。心が通じていたのか、タケ君は早紀の姿に気付いた。車を降りて照れ臭そうに歩いてくるタケ君。何も言わずに抱きしめてくれるタケ君。涙を拭いてくれるタケ君。タケ君の胸も手も温かかった。言葉にしなくても伝わる気持ち。少し落ち着いてから、二人で暮らした家に手を繋いだまま向かった。一年間の生活を途切れることなく話し、早紀は本題に入る。「東京で仕事することになって明日の飛行機で、北海道から離れるんだ」タケ君は「次は、いつ帰ってくるの?」と聞いてくる。「ずっと」早紀の言葉に戸惑うタケ君。「一緒にいてほしいの」無理だよね。早紀のわがままだもん。しょうがないよね。そう思いながら沈黙が続く。タケ君が早紀の手を、ぎゅっと握りしめて口を開く。「わかった。職場に辞めるって伝えようと思ったけど、一ヶ月はやめれない。でももう離れたくないし、今すぐ用意して明日一緒に行く」そう言うと、実家に電話して淡々と準備を始めるタケ君。自分のテレビなど、お金になるものは全て売り払い、朝まどに用意を終わらせた。その姿を見て、愛を感じる早紀だった。タケ君と出会い、お母さんと離れて暮らし、お父さんと出会い、お父さんとの永遠の別れを体験し、弟と出会い、別れ、タケ君と別れ、また結ばれ、色んな出会いと別れを経験して、一生の幸せかはわからないけど、少なくても、今は幸せを掴んでいる。タケ君と二人で東京に行く。タケ君は東京に来ても、すぐには仕事はない。だけど、早紀の収入は大人が二人生活するには十分だ。でもタケ君はプライドがあるから、彼女に生活を支えてもらうのは嫌だと必死に仕事を探していた。そんなタケ君を見て、早紀は早紀の職場の経理の仕事を紹介した。一緒に仕事をしていくうちに、仕事でも私生活でも居なくてはならない存在だと改めて感じた二人だった。仕事では喧嘩もする。けど家には持ち込まない。家事も前とは違い手伝ってくれるようになったタケ君。二人で叶える夢。お店を持つとゆう、早紀一人の夢がタケ君と二人の夢に変わっていた。