ミキ…。ミキがタケ君の浮気相手の女に直接聞いてくれたらしい。デートクラブとゆう仕事をしている女だった。ただの仕事のお客さんとしてしか見ていないし、タケ君も遊び道具としてしか見てなかったと思う。とその女は言った。ミキは、一度好きになったタケ君と親友である早紀が幸せになってくれるようにと、ずっと見守ってくれていた。ミキの応援もあって、早紀とタケ君は付き合いたての恋人同士のような初々しさはないものの、お互いを思いやって恋愛生活を満喫していたのである。少なくてもこの時は…。そんな中、一本の電話が早紀を再び闇へと突き落とすことになる。警察からの電話。もう何十年も会っていない、お父さんが酔っ払って警察に保護されたとゆう。身内も居ない、一人で暮らしているお父さんは引き取ってくれる人を早紀と指名したのである。連絡先をどこで知ったのかわからないが。早紀は今更。女と一緒になって、お母さんと早紀を捨てた人の世話をするほど立派じゃないから「行かない」と言った。だけどタケ君が電話を取り「今から行きます」と勝手に電話を切ってしまった。なにすんの?と言おうとしたらタケ君は「どんなひどい父親でもお父さんなんだから」と少し微笑んで、そういった。仕方なくタケ君に連れられ迎えに行った。酔っているお父さん。警察の人に言われた通り、書類にサインをし、タケ君はお父さんを抱える。夜道を眠ってしまったお父さんを、おんぶして歩くタケ君。何十年かぶりに見るお父さんの背中は小さく見えた。「うちの近くに住んでるのかな」タケ君は言った。知るわけもない。でも歩いて五分程度の所にある交番に居たってことは近いに住んでいるのだろうと早紀は思った。布団を引いて、お父さんを寝かせる。朝起きるとお父さんは朝ご飯を作っていた。「おはよう。昨日はごめんな」「おはようじゃないよ。まったく」冷たく言う早紀。タケ君がおきてきて「初めましてお父さん。タケです」「お父さんなんかじゃない。ただの他人だから」早紀はタケ君に言った。お父さんは笑って「ご飯食べて今日も一日頑張れ」早紀は、この人、自分が何をしたのかわかっているのかと苛立ちながら「タケ君。今日は外で朝食食べていこう」とお父さんに当て付けのつもりで言った」タケ君は、むすっとした顔で座り「いただきます」とお父さんが作った朝ご飯を食べ始めた。早紀は何も言わずに家を出た。朝食を一人、外で食べる。



