「シャワー入りましょうか」いつものように早紀は言った。「今日は早紀ちゃんに話しがあって来たんだ」なんか今日の森本さん変だ。何かあったのかな。数分して、森本さんは鞄の中から箱を取り出して開けた。指輪。「結婚してほしい」けっけっ結婚。付き合ってもいないのに。彼氏いるし無理だよ。「ごめんなさい。森本さんはいい人だけど結婚はまだ早いし今彼氏いるんです」素直に気持ちをぶつけた。森本さんは笑顔で振り向いてくれるまで頑張ると言葉を残して帰ってしまった。森本さんのことも忘れてタケ君と電話をしながら家に帰る。タケ君がどうしても会いたくて家の近くに来てるといった。ウキウキしながら歩いていると後ろから足音が聞こえる。タケ君に「こわいよ」なんて可愛い口調で伝えると迎えに来てくれるといい電話を切った。その時後ろから聞こえていた足音が早くなった。その瞬間。腕を掴まれて小道に連れていかれた。一瞬見えた顔に驚いて身体が硬直した。さっき笑顔で話していた森本さんだった。「好きだ。結婚してくれ」とか言いながら無理矢理キスをしようとしてくる。“怖い”タケ君早く来てと願いながら手足をばたつかせて拒み続けているとポケットの中で着信音が鳴る。タイミングよくボタンが押ささったのだろう。タケ君が電話ごしに聞こえるSOSに気付き、車を降りて早紀を探す。微かに聞こえた早紀の声。早紀の力が尽き諦めた瞬間。森本さんの手が早紀から離れた。タケ君が来たのだ。タケ君は森本さんをボコボコに殴った。倒れて唸っている森本さん。タケ君は優しく早紀に手を貸した。「車に乗ってな」と言って電話をし始めた。車の中からパトカーが見えた。タケ君は警察に電話していたんだと一瞬でわかった。パトカーに乗せられる森本さん。警察と話し終えて車に戻ってきたタケ君。「辛いだろうけど話ししないとね」優しい口調でそう放ち、手を握ってくれた。早紀が事情を聞かれている間にお母さんが来てタケ君と話す。そこで早紀には父親が居ないことをタケ君は知った。事情聴取も終わり、森本さんは逮捕され慰謝料五十万で示談。この事件のせいで早紀は一人で夜道を歩けなくなった。でもこの事件のおかげで仕事の日は駅まで毎回タケ君が迎えに来てくれるようになった。お礼をこめてタクシー代としてお金を渡した時はタケ君に怒られた。軽い気持ちで行動したことに反省しつつも、怒られたことが嬉しかった。



