大樹は私の横で黙ったまま
同じ木を見上げていた。

そして私も再び木を見上げた。


大樹は私の病気を知っている。


やがて、目が見えにくくなること…

もしかしたら、見えなくなることも。


だから、優しくしてくれるのかな!?


いつか学校にも行けなくなる?


「やだよ」

聞こえてないかと思ったのに…


「えっ!?」

聞こえていたみたい。


「…やだ」