白蘭ユースで上に寝ていた人と港で一緒になった。
お互いに日本人じゃないんではと思っていたみたいだ。
こういうことはよくあることであいさつが大事だと思う。

この船には上海に奥さんがいて毎月行き来している人と、
こんにゃくを上海で売ろうと言う父子と、
長旅で再就職をしようという青年と話した。

世界同時不況のさなか中国はどう切り抜けるかと言う話になって、
おじいさんが一人加わった。この人は鎮江で会社をやっていて、
この不況で50%の人員削減をしたところだと言う人だ。

しかしこの半年で必ず復活できると楽観的だ。その理由は
今回の大全中で60兆円の内需拡大予算が計上されたからだと言う。

この予算は農村を中心に広く土地私有を債権化し、金融を活性化し、
内需を中国全土、農村を中心に拡大しようと言うわけだ。

公共事業に関してはもうすでに大都市周辺の大開発、高速道路等が
大掛かりに展開されているから外需が落ち込むぶんを見越して、

大規模な内需拡大に資金を振り向けると言う訳だ。国の施策なので
なんとしてでも成功させねばならない。つまりこの10年で起きた

大都市バブルを地方で起こそうと言う狙いである。必ず半年以内に
成功例があちこちで紹介されて国を挙げて最貧農民層の底上げがなされる。

世界は中国とインドの内需拡大をじっと見守っていると言う状況なのである。
これがみんなの結論であった。船内放送で船がちょっと遅れると言っている。

そのちょっとは実は6時間おくれであった。

                     -完-