20061218
 いよいよ入国。最後の難関税関だ。
何度も犬がぐるぐるとまとわりつく。

「何の目的でいかれたのですか?」
「観光と嫁さんの趣味の買い物です」

リュックを開ける、

「これはなんですか?」
「置物の木の猫と暖簾のような飾り
を作る嫁さんの手芸の材料です」

係員は黙々と探っている。
「全部でいくらでした?」
「9000円くらいです」

係員は荷物をしまいながら、
「酒タバコ麻薬はありませんか?」
「全くありません」
「出口はあちらです」

と言いながら他の係員もじっと見張っている。
出てしまうまでは安心できない。
出口を出て足早にターミナルへ向かった。

ー完ー