少し待つと、教室に一人の男子が入ってきた。新田くんだ。 新田くんも私と同様、本番用の衣装を着ている。 彼は当然、ドレスじゃないけど。 「大、槻…さん」 「新田くん」 何度か練習に来る中で、彼とも仲良くなった。普通に話せる程度に。 私も男子は苦手だけど、彼は私以上にわかりやすく女子が苦手だから、なんか話せる。