「宮地!」

男子の声が渚くんを呼んだ。怒っているようだ。

「この台本さ、昨日の子が一人で仕上げたんだ。だから失敗してほしくなくて」

「おい無視すんなや」

「博士頑張ってね」

「いやあの、渚くん、うしろ」

渚くんの背後で渚くんを睨む大きな男子。関西弁。

「あー。よく気付いたね、博士。
彼が新田くん。王子兼怪盗役だよ」

「いや、そんなこと聞いてるんじゃないけど」

渚くんはこの人と仲が悪いのかな。