その日から村娘と王子の生活が始まりました。 その生活は不思議なものでした。 王子は村娘と夜を共に過ごそうとしないばかりか、触れようともしないのです。 ただ同じ部屋にいて、お話をする毎日でした。 ある日、村娘は王子に尋ねました。 「好きな人がいるの?」 王子は答えました。 「いるよ。君もそうだろ?」 王子は優しく微笑みました。 村娘は王子の問いに頷きました。