「おじさん、それは犯罪だ」 ゴッという鈍い音と共に知った声が聞こえた。 固定されていた手が離れ目を開くと、下を向きながら自分の頭を押さえるおじさんと拳骨をつくる渚くんがいた。 渚くんは息を荒くしながら、少し肌寒いこの季節なのにも関わらず汗をかいている。 「やっと見つけた。カレールー、どこまで買いに行ってんの?」 渚くんはホッとしたような、安堵の表情を見せてくれた。 「な、渚くん…」 私だって渚くんを見てすごく安心した。 いろんな気持ちを含んだ涙が溢れそうになる。