あの先輩

フェンス越しに見るリク先輩の背中。

…あ、はじめてみたかも。プレーしてる後ろ姿。だっていつもフェンスの横からしか見たことなかったもん。



リク先輩たちペアはスマッシュの連発で勝った。
圧勝だった。

「きゃあああ!かっこいい!」

「すごい!おめでとう!」

「リク先輩ほんとやばい!」

みんなの歓声が更に大きくなる。

コートで相手と挨拶を終えてベンチとスタンドの応援陣のほうへ 子供みたいな無邪気な笑顔で走って来て喜ぶリク先輩。

「あ。」

一瞬だけこっちを向いて笑ってくれた気がした。

いや、気のせいか。そんなはず…



-----それから5ヶ月後わたし中学二年生になった。