届かぬ声を、君に。




優花は、来週アメリカに出発するらしい。


それまでは体調管理のために入院するから、もう学校へは来ない。



少し寂しそうに優花はそう言った。



「弘輝と別れたのも、アメリカに行くからだよ。本当はずっと一緒にいたい」


優花も弘輝くんも、お互いまだ相手のことが好きなんだ。


優花の病気さえ、なければ。


「優花、何も言わずに弘輝くんと別れちゃダメでしょ?


ちゃんと理由を言わないと。


それに、アメリカに行くからって弘輝くんの優花を好きって気持ちは変わらないよ」


多分、優花と弘輝くんが遠距離でも付き合っていた方が、二人にとって一番いいと思う。



「優花はまだ、弘輝くんのことが好きなんでしょ?」


私が聞くと、優花はしっかりと頷いた。



「だったら、ちゃんと気持ちを言ったほうがいいよ」