届かぬ声を、君に。





「優花、今どこにいるの?」



「病院だよ。私、病院まで連れて行こうか? 最近、車の免許とったの」



なっちゃんがそう言ってくれたから、お言葉に甘えて、と私はなっちゃんの車に乗せてもらうことになった。



なっちゃんの車は、真っ白の小さなボディで、中は新しい車のにおいがした。



車を運転しているなっちゃんは、なんだかかっこよかった。




なっちゃんの車が止まったのは、町で一番大きな総合病院。




ついてきて、となっちゃんは言うと、病院の中に入って行った。


私もあわてて後を追う。




どうしよう。



優花、私に会ってくれるかな。



私と会うの、嫌じゃないかな。