届かぬ声を、君に。




あの謎の彼に出会って、一週間がたった頃。



今日は、優花が風邪で休みらしい。


私は一人でのんびりと登校した。



「まいちゃん、おはよう」


「おはよう」


私の前の席の子が、にこやかに挨拶してくれる。


私は、舞香、という名前だからみんなに『まいちゃん』と呼ばれる。



優花が休みだと、なんか寂しいなぁ......。



そんなことを考えていたら、聞き飽きたチャイムの音が教室に響いた。