「だから、この指輪。本当は、響也から渡すのがいいと思うんだけど」 そう言って、樹里ちゃんはその小さな箱を私に差し出した。 「………でも………これは受け取れない」 「え?」 「響也が目を覚ましたら、響也に直接つけてもらいたい」 わがままでごめん。 でも、響也が目を覚ますと信じたいから。 「うん………わかった」