とびらを開ける。教室の中は荒れている。
金髪の生徒。ピアスを付けまくっている生徒。音楽を聞いてほかの生徒から外れている生徒。様々な生徒がいたが、誰もが私を睨みつけ白々しくしている。そして、それぞれに言葉を発している。声が小さく聞こえずらいが、悪口だというのは、すぐわかった。すると、一人の男子が私の前にきた。「お前さ、キモイ。今時お下げとか、昭和だわー。なっ?お前らも思うよな?」すると、みんな「だから(笑)」、「まじだよ(笑)」口々にいった。私は、自分の席へ向かった。そして、平然と席についた。
みんなまた、白々と見ている。さっき話かけてきた男子はいなくなっていた。私は、静かに教室をみる。落書きだらけだ。「バシャバシャ」頭が冷たい。笑い声が聞こえる。水をかけられたんだ。 さっきの人だ。私はこの時、まだ気づかなかった。地獄のとびらを開けてしまったことを。