『あ、ごめんね芹南。風邪ひいちゃうよね』


…せっかくのお家デート、素直な気持ちを伝えたいのに。


あたしはまだまだいじっぱりで。
もっと可愛くなりたいよ…。



そんなことを考えてたら、柄にもなく泣きそうになって、思わず下を向いた。


『芹南、大丈夫?具合悪い?』


心配そうに顔を覗きこんでくる涼太郎。
涼太郎はいつもあたしの心配ばっかりして、ほんとに優しい。
なのに、あたしは『バカ』とか『うるさい』とか言ってばっかり。




『…大丈夫…だよ』



優しい涼太郎に心配かけたくなくて、無理やり作った笑顔。
涼太郎にバレていませんように。