「ねぇ、
朔くんに渡してくれた!?」
「…あ、渡したよー」
教室に戻れば、さっきの手紙の持ち主、山吹さんが私に聞いてきた。
「へ、返事…なんて言われるかな…」
ポッと顔を赤くしてるのを見ると、いいなぁって思う。
ちゃんと朔に気持ちを伝えられて、いいなぁ…。
私だったら…
『お前が恋とか、まじうける』
そう言うんだよね。っていうか、実際アイツ言ってたし。
堂々と恋してます!って言えることが、羨ましい。
「……はぁ…」
席についてため息を吐くと、
ガラッと大きな音をたてて教室のドアが開いて。
相変わらずたくさんの女の子を引き連れた朔が、教室に入ってきた。



