カーディガンの袖で目を擦ると 「な、何で泣くんだよ…」 「……っ、」 「……バカ…泣くなって…」 私が涙を溢すと、 明らかに焦ったような顔をする朔。 ……声からして、明らかにおろおろしてる。 泣いてるの、朔のせいなんだからね…。 「命令しないで… 庶民くさいとか言わないでよ…っ 毎日、一生懸命作ってるのに…」 ゴシゴシと目を擦って、 泣いてるのがわからないように、トイレに向かおうと立ち上がると グイッと腕を掴まれた。