【短】俺は、お前がいい。




ズボンのポケットに手を突っ込んで、



私を見下ろすように、朔が目の前に立っていた。




「わっ!
び、びっくりさせないでよ!!」



「オトモダチに嘘ついて、何考えてんだよ?」



「気を遣ったんだもん…」



「ふーん……」




そりゃ、一人で食べるのは、さみしい。



でも、涼子ちゃんの邪魔したくないから。



いじける私は、お弁当に入っていたプチトマトをパクリと食べた。




「おい、ブス」



「……せめて名前を言いなさいよ」



「じゃあ、ブス希」



「……何よ」




ブスを否定出来るほど美人でもない私は、若干イラッとしながらも返事をした。