【短】俺は、お前がいい。







どこか上の空で授業をうけて、



あっという間に昼休みになっていた。




「希~、ごめんね、
今日、翔太と二人でお弁当食べる約束してて…」




私の席に来てそう言ったのは、しょーちゃんの彼女で、私の親友の涼子ちゃん。



いつもは一緒にお弁当を食べるんだけど、



しょーちゃんの気分によって、たまにこういうときがあるんだ。




「いいよいいよ、行ってきなよ~。
私、今日お弁当忘れて食堂行かなきゃだからさ~」



「そう?ならいいんだけど」




本当にごめんね!とまた言ってから、



涼子ちゃんは教室を出ていった。




「……」




ごめんね、涼子ちゃん。



本当はお弁当、持ってるんだけど。



私に遠慮して、しょーちゃんとの時間を削ってほしくないから。



ちょっと嘘ついちゃった。



こっそりと教室でお弁当を広げると




「学食じゃなかったのかよ」



「……!」