「瑞月、帰ろ」 「雅…」 バイト先の裏口で待っていたのは…。 ───雅。櫻庭雅。 「瑞月、寒いよ」 「寒いね」 自然と手が繋がる。 でも恋人同士ではない。 「瑞月、好き…」 夜の路地を二人で歩くといつも言う。 ごめんね、でも…。 「雅…」 そしていつも切なそうに笑う。