「貴方は…だ…れ?」
震えた声で咲は聞いてきた。
「悠だよ。」

俺はできるだけ落ち着けるような声のかけ方をした。

「悠。もう嫌だよ。苦しいよ。」
そっか。そっか。
苦しかったね。
痛かったね。
悲しかったね。

「俺は絶対にそんな思いさせない。」
口からこぼれた言葉。
「え?」
もうここまで言ってしまった。
ならもう。
「好きだよ。咲。」

君は寂しそうな顔をした。
多分。多分だけど、

「まさか都合のいい女だと思われない?とかおもってる?」

「へ?」

やっぱり考えてたんだw

君は優しいから。
考えてしまうんだよね。

いいよ。
ほんとに心の底から愛してくれなくても。

二番目でいいから。

君の中での大事な人になりたい。


君が口を開いた。
「ねぇ。悠。」

「ん?」

「悠の事。信じてもいいですか?」
君の震え混じりな声。
「ん。信じてよ。」
俺は抱く力を強めた。
君は言った。

「信じるね。」