屋上に行ってみれば君がいた。

あれ?咲の奥に誰かいる?

あぁ。俺は見ちゃいけないものを見てしまったんだと思う。

そこに居たのは拓だった。

告白してたのか。

咲はそんなに拓のこと好きなんだね。
これで2回目じゃないか。

きっと俺の気持ちなんかとどかないよな。

その時。
拓がこっちに向かってきた。

やばい…!
俺は急いで隠れた。

拓は何もなかったようにいつも通りに帰っていった。

(ば、れてなかった?)

咲の方に目をやれば泣いている。
頭をかきむしっていた。
凍えそうなくらい震えている。
ただ見てることなんてできなかった。

でも振られるのは物凄く怖い。

でもほっとけなかった。

俺は咲を後ろから抱きしめていた。

咲。咲。さき。
愛しい咲。
こんなにも冷たくなっているのに
拓は何もしない。
拓は。拓は拓は

ほっておいてなにもなかったかのように、
許せなかった。

もう知らない。あいつなんか。

絶対に咲を幸せにしたい。

そうもう一度確信した。