「最近浮かない顔してるね
大丈夫?」

そう話しかけてくれたのは同じクラスの室長である向井 桜だった。

「まぁ、大丈夫だよ。
室長いっつもクラスのこと気にしてん
だな!」

「そりゃ!
クラスのみんなには毎日楽しくして
欲しいもん!」

俺は向井の優しさにつけこんで、ふと悩みを話してしまった。

「ここでは話しづらいから、ふたりで
別の場所で話し合わない?」

「どこがいい?」

「石原くんの家とかかな?
外だと変な誤解されて
優希ちゃんに迷惑かけそうだし。」

「おう!分かった!
じゃあ今週の土曜日の部活の後
…1時とかでいいか?」

「おっけー!
あ、家分かんないよ…」

「地図あとで送るわ、
LIME教えてくれない?」

「あー、おっけー!
石原くん追加しました!」

「じゃあ今週の土曜日な!」

…これが思わぬ事件の始まりだった。