大きめの花柄の、オレンジのワンピース。
長い髪を二つに結って、浮き輪を前に抱いている。

どうしてそんなに小柄で童顔なその体に、そんなに自己主張の激しい胸があるんだ…。 
それに、驚くほど色が白い。
手足と胸元の色がまったく変わらない。

「どうしたの?」
見つめていたオレを覗き込む。
なんとかがんばれ、オレの理性!

「いこう」
そう言って、水織の手をとったのは、なんと郁だった。
おいおい、それはオレの役目だろう。

「退くのか?」
「まさか」
 
オレは2人の後を追い、水織を後ろから抱き上げた。
「きゃ…なな、なにをっ」
「わめくな。今日はオレが誘ったんだろ?
他の男にエスコートされるな」
正論だろう。水織は黙った。
わめいたのは郁だった。
「嫌がってるでしょう、降ろしてください」
「聞いてなかったのか? 今日はオレのもんなんだよ。
ガキはトレーニングルームで、体でも鍛えてろ」

オレは勝利し、1日たっぷりと水織と楽しむ事が出来た。

水織は泳げなかったのだ。
身長の低い彼女は、大人用のプールの真ん中では、ほとんど顔が出ず、必然的に一緒にいるオレに抱きついてくる。
思ったより臆病。
…それに、この肌と肌の触れる感触。

…ぞくぞくする。

ひんやりとした肌が、触れ合った場所から温かくなる。
柔らかくて、つい力を入れて抱き寄せたくなるんだ。

理性を何度も総動員。

その結果、
「松岡って、いい人だねっ」

水織の言葉に、喜ぶべきか、悲しむべきか…うーん…悩む。