沖君が転校してから四年がたち私は中学二年になっていた。

あの頃よりは人前で何かするのは平気なっていたが、自分から何かするということはなく、

相変わらずクラスではあまり目立たない女の子だった。

「友美、聞いた?今日うちのクラスに転校生来るんだって!」

朝から元気に声をかけてくれたのは、岩田 優子 ・いわた ゆうこ・数少ない私の友達。

「本当に?男子?女子?」

「さあ?まだそこまではわからないけど、私は男子がいいな〜、しかもイケメン!」

「はいはい、優子はイケメン大好きですもんね〜」

「なぜこのクラスにはイケメンがいないの!」

「残念ね、本当に」

そんなやりとりを優子としていると

「おはよう、相変わらず朝からうるさいな優子は・・・」

少し眠そうに教室に入ってきたのは、本村 慎吾 ・もとむら しんご・男子で唯一私の話し相手。

「あんたこそまた遅刻ぎりぎりじゃない!」

「むしろアウト!」

「先生来てないからセーフだし・・・」

そうしてると先生が転校生と2人教室に入ってきた。