「おはよう、だね」
「…おう。でもあんま寝てない」
「…え?いつから起きてたの⁉︎」
「…んー、泉と話してるときから?」
「えぇ⁉︎じゃあ、声かけてくれれば良かったのにー」
「…いや、邪魔したら悪いし」
「そんな、大丈夫なのに…」
…ほらね。
悠って優しいの。
人を気遣ってくれる、優しい人。
「…んじゃ、行くか」
「うん!」
悠は欠伸をしながら立ち上がり、鞄を持った。
「…あ」
「…どうしたの?」
「…何でもいいんだよな?」
「…え?」
「…まさか、自分が言ったこと忘れたんじゃねぇよな?」
「…あぁ!お、奢ることでしょ?忘れてないよー!!」
「…忘れてただろ」
…実は、忘れてました。
焦ったあたしを見て、悠は微笑んだ。
…もう、不意にする笑顔はズルいよ。
…もっと好きになっちゃうじゃん。
…悠は、
あたしのこと、どう思ってるの…?

