「数学は何とかなるよ!流川置いて帰ろうよー」
「もー、他人事だからってー!」
「授業中に寝てた方が悪いー」
…ごもっともです。
「…で、でも!悠を置いてはさすがに帰れないよ。だから、今日はごめん!」
「…わかった。ほんとに、あんたたちって仲が良いよねぇ」
「幼馴染みってだけだよ?」
…幼馴染み。
でも、あたしは悠のことをただの幼馴染みだなんて思ってない。
あたしにとって、悠は特別。
…好きっていう、特別な存在。
「じゃあ、またね!」
「うん!」
そう言って、奈々は手を振って帰って行った。
「…終わった?」
「…悠⁉︎」
突然の声にびっくりして、隣を振り返る。
まだ眠そうな悠があたしを見ていた。
…可愛い。
そんな、彼にドキッ。としてしまう。

