「…ゆ、悠⁉︎」
「…べ、別に。俺は嫌じゃねから」
「…へ?」
「…お前がいいなら、こうしてても悪くねぇ」
「…い、いいの?」
「…あぁ」
…どうしよう!
心臓がドキドキしてて、うるさい。
でも、すごく嬉しい。
見た目は細いのに、程よくついた筋肉。
男らしい背中。
…悠が好き。
…もしかして、今が告白する雰囲気だったりするのかな?
「…ゆ、悠は平気なの?こんなことして」
「…何が?」
「…彼女とかいたらまずいんじゃないかなーって思って」
「…いねぇよ。…お前ならわかんだろ、そんなことぐらい」
「…わかんないよ。ずっと一緒にいるからこそわかんないことってあるじゃん」
「…これは、別にお前が鈍感なだけじゃねぇの?」
「…なっ!あたしは鈍感じゃないー!!」
あたしは悠を突き飛ばした。
…あちゃー。
何やってんだよ、あたしー!!
せっかくのチャンスが…
「…何だよ、急に。…でも、お前はそうやってムキになってるときのほうがお前らしくていい」
「…こんなの、あたしらしくないしー」
「…ははっ。今のお前の顔、ヤバい」
「…あー!ちょっと、笑わないでよー!もう、悠ー!!」
…悠が笑ってくれた。
あたしは悠が笑ってくれればそれでいい。
あたしのことが好きじゃなくても、
悠が幸せであれば、
悠と一緒にいられれば、それでいい。
それが本当のあたしの願い…

