「ありがとう。送ってくれて」
「…おう」
…あれ?
別れるときってどうすればいいんだっけ?
ど、どうしよう…?
「…今日はよく頑張ったな」
「…え?」
すると、悠はあたしの頭を優しく撫でた。
…褒めるなんて、一番ダメだよ。
顔が熱くなるのがわかった。
「…悠のそういう所、昔から変わってないよね」
「…何が?」
「いつも意地悪だけど、本当は優しい所」
「…なんだよ、それ」
「…でもあたし、そういう悠が好きだよ?」
「…え」
…って、ヤバ!
あたし何言ってんだろ⁉︎
これじゃあ、告白じゃん!!
「…だ、だからこれからもあたしの知ってる悠でいてほしい」
「…いつもの俺って言われてもよくわかんねぇけど、少なくともお前の前では自然体でいられるし」
「…えっ」
「…お前だけだから、普通の俺でいられるのは」
「…悠」
あたしは悠の裾を掴んだ。
そして、悠の胸に顔を埋めた。
今この状況で顏なんて上げられないよ…
…恥ずかしいもん。
「…莉香?」
「…あ。ご、ごめん!あたし、何してんだろ」
あたしは悠から離れようとした。
しかし、悠はあたしを引き戻した。
そして、抱きしめられてしまった。
…ど、どうして⁉︎

