「ん」
「…へ?」
突然渡されたアイスに戸惑うあたし。
…あたしも食べろってこと?
「…それでチャラにしてやるよ」
…チャラ?
あ、あぁ!奢る話ね!
…もう、分かりにくいんだから。
「…でも、これだけでいいの?もう一個食べる?」
「いい。俺、それが食べたいから」
「…そうなの?じゃあ、あたしも買おうかな〜」
あたしは、そう言ってイチゴアイスを手に取った。
すると、悠にイチゴアイスを取られてしまった。
「ちょっと!…悠?」
「これ、俺が買う」
「え?いいよ、あたしの分だし。それに悠が買ったら奢ったことになんないし」
「…俺は別にいいんだよ。ってか、お前金無さそうだし」
「なっ…!だったら最初から奢ってとか言わないでよね〜!!」
悠はあたしの言う言葉も無視してレジに行ってしまった。
…ったく。
そういう優しさってズルいよ。
口ではそうやって言うけど、結局は優しいんだよね。
…悠ってそういう人。
そんなことされたら、ますます好きになっちゃうじゃん。

