不機嫌なアルバトロス


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「…ふぅ」


駅を出たところで、私は深呼吸をしていた。


あれから慌てて朝シャンして、ドタバタと身支度を整え、そして―



「…ほんとバカ」



呆れるくらいに、緊張していた。


関わらない方が良いことは、重々承知していたし、彼がロクでもない奴だということもよくわかっているつもりだ。


だから、とりあえず、二週間妹になってやって、サヨナラすればいい。



本来なら、かなりの迷惑。


面倒でややこしいことに巻き込まれて、げんなりしているべき状況な筈だ。



なのに。





信じ難いことに、心の隅っこで、どんな形であれ、彼ともう一度会えることを、嬉しいと思ってしまっている自分が居る。