「…うん、ハジメテ」


目を逸らすことなく答えると、タカはにやっと笑う。


「こんなキレイな子、今まで見なかったもんねー」


本当に、軽いな。

私は知ってる。自分はそんなに眼に止まるような人間じゃないってことを。


「これから予定あるの?」


「別に無いよ」


「じゃ、一緒に飲もうよ」


そう言うと、タカは新しいカクテルを私の前に置く。


「…いいよ」


夜は長い。

クラブの盛り上がる時間は深夜を過ぎた辺りだという。

まだまだ、一人になりたくない。