心揺さぶるような音楽。

楽しそうに踊る人たち。


グラスを傾けながら私はカウンターに背を向けて、フロアに目をやった。


なんか、いいなぁ。

ふわふわ、ゆらゆら。


つまんない日常じゃない。

いつもと違う、楽しい夜の時間。


クラブっていいかも。


「ねぇ、一人?」


ぼけーっとしていると、横からトンと肩を叩かれた。


「え?」


見ると―


お、85点。中々。


茶髪、格好いい、だけどきっと遊び人な、ややたれ目の男。