「人はっ…、愛されたいって思う生き物なんですっ!!」





―たとえ。





愛されたことがなくて、



愛し方がわからなくても。



愛されたくないわけじゃない。





それはちょうど。




飛び方を教えてもらえなかった鳥が、



空を飛びたくないわけじゃないのと同じように。




鳥が空を飛び立ちたいと願うように、


人は愛されたいと願うものだと。




遅ればせながら、私は気付いたのだ。







「中堀さんが、愛し方を知らないって言うなら―」





私は、中堀さんとの距離を縮め、腰に両手を当てて宣言する。





「私が教えてあげます!」




貴方に愛を。



沢山の愛を。




目一杯の、要らないというほどの好きを。



私が存分にあげるから。






「私のことをどんなに傷つけたって、平気です。私は、中堀さんが好きだからです!」





嫌いになんてならないから。






「コロコロと天気みたいに機嫌が変わって本当厄介ですけど!ごくごくたまには、快晴な時もあったり、する…?あれ、あったっけな…と、とにかく!中堀空生が、大好きだからです!」




空を生きる、で、アオ。



その名前を、とても気に入っているから。



呼ばせて欲しい。




貴方にぴったりの名前だと思う。