不機嫌なアルバトロス

「そんな男、いんのかなぁ。。。なぁ、零、お前まだ会ってんの?会ってんならクラブに連れてきてくれよぉ」



向こう側からこちらにぐるっと顔を回転させて、眉を八の時にする崇。



気持ち悪。



俺は露骨に不愉快さを態度で表わし、顔を崇から背けた。




「あっ。ひどっ」



崇の悪ふざけは昔から知っている。


俺のターゲットも、なんとなく連れてた女も、俺が居ない間に試される。



元々どうでもいいから、崇になんか持ってかれたらもっとどうでもよくなるわけで。



そのことに何とも思わなかったし、逆に関係が上手く切れてありがたいと思うことだってあった。




櫻田花音が、俺の知らない間にクラブに来ていた時も、崇は恐らく前回の俺への仕返しもあってあいつにキスをした。



俺からわざわざ見えるように。



目が合った瞬間、やっぱりか、と思った。



櫻田花音、お前はやっぱり軽い女なんだな、って。



だけど―