「あー!もうっ」
恋愛ってどうやるんだっけ。
どうしたら振り向かせられるっけ。
いつも、どうしてたっけ。
私はいつもの自分を思い出してみる。
可愛く見せたり、お洒落したり、ちょっと思わせぶりな態度してみたり?
「ないない、中堀さんに限っては通用しない」
乾いた笑いが出る。
じゃ、どうしたら。
どうしたら、あの難攻不落のカレを振り向かせられるだろう。
しかも、残り時間は僅かだ。
あーでもないこーでもないと考えていると、あっという間にアパートに着く。
今日ばかりは、ポストを確認してチラシしか入っていなくても、溜め息は出てこなかった。
「好きって言いたいなぁ。。。」
冷えた空気が、何故か心地良く感じて、アパートの階段の途中で空を仰いだ。
―ぶっちゃけてみても、いいかな。
中堀さん、好きになっちゃいましたって言ったら、どんな顔するんだろう?
怒る?突き放す?困る?
何にせよ、良い反応は期待できない。
でも。触りたい。
ぎゅってしたいされたい。
そのためには、、
あぁ、どうしたらいいんだろう。


