不機嫌なアルバトロス


「…アイス、食う?」



「!はい!食べます!」



思わずくるっと振り返ると、中堀さんは意地悪い笑みを湛えて腕組みしていた。



「で?何がつまんなかったのかな?」



小学生か、私は。


なんで食べ物に釣られちゃったのかな。


反省しても、もう遅い。



「な、なんでも…」



「言え」



「……かわいい、キャラクターのタオルとか、、、ないかなって…」



中堀さんの黒紫に見えるオーラに負けて、私は白状する。



「はあ?」



案の定、中堀さんは理解できないという顔をした。



「っとに、意味わかんない女」



中堀さんは暫く何か考えていたようだが、突然呆れたように笑った。




その、フワリ、柔らかい笑みに。


あぁ―。


いいなって。


理性よりも先に感情が。


好きだなって、感じてしまうんだ。


出逢った時から、今までずっと。



どの感覚よりも先に、好きという想いが身体中に伝わる。





「アイスやるから、良い子で寝てな?」



「こ、子供扱いしないでくださいっ」



「実際ガキだし」



「~~~~~~!!!」



敵わない。


叶わない。


なんてツライ恋なんだ。


片想いなんだ。