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「お、おいしい」



完敗です、という思いで、テーブルの上の器に盛られた湯気の立つスープを眺めた。



「そりゃ、良かった」



そんな私を中堀さんは壁に背中を預けて立ち、腕組みをしながら見ている。



顔良し、スタイル良し、仕事あり、センスあり、その上料理も出来る。


言うことなし、とはこのことだ。


世の女性達ならば、いっそのこと騙されたっていいんじゃないか、と思う詐欺師じゃなかろうか。


そこまで考えてぶるぶると頭を振る。


いやいやいや。


駄目だ。この感情に呑まれてはいけない。



「あのっ、これ。。何が入ってるんですか?作るのって難しくないんですか?」



とりあえず自分の疑問を解決してもらおう。