ぐ、ぐぐぐぐーーー
「はっ!」
予想していない音に、思わず自分のお腹を見た。
「ぶっ…くくっ…」
そして、笑い転げる中堀さんを半泣きで眺めた。
は、恥ずかしいっ
お腹の虫めっ。
何も今!この瞬間に鳴くことないだろう。
「ふっ…そういえば…夕飯、食べてないんじゃない?くくっ…お腹空いたんじゃないかって思って、野菜のポタージュ作っといたんだ。食べる?」
笑いが収まりきれてないですよ。
羞恥心から唇を噛みつつ、コクリ、頷いた。
あと少しで。
もしかしたら、中堀さんの本音を聞くことになったのかもしれない。
そう思うと、悔しい。
きっと、中堀さんは今訊ねても、もう教えてくれない。
あぁ、お腹の馬鹿。
でも。
中堀さんの話が、本当なら。
察するに、父親か母親のどちらかは知らずに育ったのだろう。
それが。。。
そのことに関係する何かで。
彼は多分、詐欺を行っている。
というか。
人を、愛せない。
そういう話の流れだったんじゃないかと推測しても、いいのかな。
そんなことを考えながら、キッチンに佇む彼の姿を眺めた。


