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ピンポーン
どれくらい経ったんだろう。
エアコンがかかっているとはいえ、寒さとチャイムの音で目を覚ます。
電気の点いていない部屋は真っ暗だ。
「ちょっとー!花音ー!ってえ?」
続いて聞こえるがちゃっという音。
「なにこれー!花音無用心もいいとこだよ!鍵閉めてないじゃんばか!」
一気に賑やかな声が入ってきたなと思ったら、バタバタと足音が続く。
「電気点けるよ!」
私の返事を待たずに、電気のスイッチが入る。
眩しい。。。
凝らしていた目を細めた。
「憲子…」
「なにその格好!?」
買い物袋を沢山抱えたまま、憲子は私を見て驚く。
「まさか、布団も掛けずに寝てたわけじゃないわよね?やめてよねー、もう子供じゃないんだから!」
テーブルの上に荷物を置くと、憲子はこっちに来て私の額に手を当てた。
「薬飲んだの?かなり熱いよ。」
私は首を横にふるふると振る。
呆れたように憲子は辺りを見回して、あれと呟く。
そしてリボンを摘み上げ、私の寝返りによって落ちていた帽子を拾う。
「…誰か、来てたの?」
訝しげな顔をして、憲子が私を見つめた。
さぁ、ホントのことを話そうか、話すまいか。
「?!ちょっと…花音?!」
決める前に勝手に涙がバラバラと落ちた。


