不機嫌なアルバトロス

ヒント。。。


そりゃ勿論。



「…欲しい、です」



「うんうん、カノンちゃんは素直でよろしい」




満足気にタカが腕組みをしながら、頷いた。



「だけど、ヒントの代わりになんかちょーだい」



―は?



途端に眉が寄った。




「よせよタカ。ほんっとお前懲りねぇ奴だな。」



私達のやりとりを黙って見ていたトーマが、諌(いさ)めるように、半ば呆れるように頭を掻いた。



「いいじゃん、俺カノンちゃん好みなんだもん」



タカが頬を膨らませる。


だもんって…



「ほっぺにちゅーしてくれたらヒントあげる♪」



いつの間にか、タカは青くて四角い瓶を手に握っていて、そのまま呷っている。



だ、大丈夫なのかな。


もう酔いすぎてるんじゃないかな。


酔っ払いの絡みなんじゃないかな。



私は眉を寄せた状態で固まりつつ、目の前の空気より軽い男を凝視する。




「カノン、、、ちゃん?そいつ素面だよ。酔っ払っちゃいない。ザルなんだ」




トーマは面白そうに私を見ながら、そう言った。



「何?カノンちゃん俺が酔っ払って絡んでると思ってるの!?」



タカが傷ついた顔をする。