「優しいあの人のためにも、絶対!手術成功させようねっ」 ―は? 両手をぎゅっと握られて、私は放心する。 だって。 お願いって、それだけ? この人、それだけのために、この寒い中私を待ってたの? なんていう、、御人好し。 「約束っだからねっ!」 ぶんぶんと力強く手を振られるままにして、私は停止した脳の再稼動を試みる。 えー、と? だからこの人騙されたのか?